2020-01-27 | ニュース
すでに海外ではスマホの5Gサービスが始まっていますが、日本ではまだサービス開始に向けての準備段階に入った状況です。
今回は、日本で5Gサービスがスタートする時期や、現状での利用可能エリア、そしてドコモが先日公開した5G対応のスマホ情報について解説します。
■アメリカや韓国ではすでに5Gサービスがスタート
5G対応スマホの販売は始まったばかりであるため、エリアもまだ限定的です。しかし、アメリカや韓国ではすでに2019年4月に5Gサービスが始まっており、その後もスイスやオーストラリアなど各地で広がりを見せています。
このように世界レベルでは、サービス開始の初年度となる2019年だけでも2,200万台の販売が見込まれており、初年度としては上々の滑り出しと言えるでしょう。
現在の状況だけでは突然爆発的に増えるとは言い難いかもしれません。しかし、アメリカや中国の場合は政府も5Gスマホを強力に推進しています。政府の後押しにより、急激に普及が加速する可能性は大いにありえるでしょう。
■日本での5Gサービス開始時期
総務省が2019年4月に発表した電波周波数の割り当てによると、各社のサービス開始予定時期は次の通りです。
NTTドコモ:2020年春
KDDI/沖縄セルラー電話:2020年3月
ソフトバンク:2020年3月頃
楽天モバイル:2020年6月頃
ただし、サービス開始時期=全国同時スタートというわけではありません。基地局の運営開始とともに、少しずつ使える範囲が広がると考えるべきでしょう。
■使えるエリアはキャリアによって異なる
5G基地局自体が全都道府県で運営されたとしても、実際にサービスが使えるエリアはキャリアによってかなりの差があります。全国を約10km角のメッシュで分割して統計した「標準地域メッシュ(行政管理庁告示第143号に定められた第2次地域区画)」から、設置される基地局数の割合について比較すると以下のようになります。
NTTドコモ:97.0%
KDDI/沖縄セルラー電話:93.2%
ソフトバンク:64.0%
楽天モバイル:56.1%
予定数値は、2024年度末までの計画値ではあるものの、キャリアによってかなりの差があることがお分かりいただけたかと思います。基地局の整備に使う投資額に関しても、約7,950億円とNTTドコモが圧倒的です。2位のKDDI/沖縄セルラー電話は、約4,667億円、そしてソフトバンクや楽天モバイルは、約2,000億円前後と、ここでも大きな差があることがわかります。
総務省としては全国各地で問題なく5Gサービスが使えるよう整備を求めているものの、全てのキャリアの全国普及に関しては、まだ課題がありそうです。
■ドコモが5Gプレサービス用スマホ情報を公開
2020年春のサービス開始を見込んでいるNTTドコモは、いち早く9月20日から5Gプレサービスを開始しました。イベントなどの場に限るものの、5Gの特徴や魅力をアピールするため、すでに5Gスマホ3機種と屋内用5GWi-Fルーター1機種が公開されています。
公開されたスマホ情報は、次の通りです。
・ソニーモバイル製 Xperia 1をベースとしたプロトタイプ
・LGエレクトロニクス製 LG V50 ThinQがベースモデル
・サムスン製 Galaxy S10 5Gがベースモデル
ただし、発表されたスマホは全て試作機であり、市販される予定はないとのことです。すでに海外で販売されている機種に似ているタイプもありますが、あくまでイメージであり、ベースモデルの扱いとなっています。
また、屋内用5GWi-Fルーター1機種はシャープ製です。5G/4G LTEの電波に対応している据え置き製品で、Wi-Fiやイーサネットへの出力が可能です。
「標準地域メッシュ」の割合が最も高いNTTドコモは、5Gサービスに対して他社以上の意欲があると言えるでしょう。
また、2020年には東京オリンピックが開催されるため、5Gスマホの利用はもちろんのこと、5Gならではの新しいサービスや体験にも大いに期待したいところです。